珍客 法語  島の歌姫

 


雪とみぞれが繰り返し降り10センチほど溶けかけた雪が積もっている。


元日に互礼会があるのでこれ以上強く降らないことを願ってる。

 

今年は老僧の逝去と霊場会の法要という大きな出来事が続き、穏やかだった日常の生活が大きく揺れた。


老僧の体調が思わしくなくなってなってから半年ほどはいろいろな物事に追われる思いが続いたが、12月に入ってようやく落ち着きを取り戻しつつある。


もっともやるべきことは際限なくあり年末特有の落ち着きのない時間を過ごす。

 

 

一昨日はムクドリが庫裏のなかに飛び込んできてちょっとした騒動になった。


捕まえられると観念したのか大人しくなったが、逃してやろうと戸外に出ると「もしかしたら大丈夫かも!」みたいな感じで暴れだし。捕まえている指をガブリ…

観念してからのひと暴れが面白かったが部屋の中に沢山の羽と“落とし物”を巻き散らかしてくれたのにはがっかり…

 


庫裏の玄関に納め札を入れる箱が置いてあるがいつの間にか古い御札やお守りを入れる人が多くなった。


お焚き上げすることは構わないのだが、先日はなにやら怪しげな袋が入っていて、中から古い人形が2体でてきた。

人形をお守りと一緒にお焚き上げしたらせいぜい数十センチの大きさの人形なのに莫大な量の白煙が立ち上り始めた。


裏山を覆い尽くすほどの白い煙でおまけに頭痛がし始めた。明らかに化学物質のせいである。とりあえず人形はやめてほしい…

 

 

 

 

お坊さん専門誌「月刊住職」に法語の特集。

 

実によく考えられているのがある。


「除夜ノ鐘 煩悩滅却」という張り紙の横に

 


あの鐘を鳴らすのはあなた』(大阪 六萬寺)

 


おもろいな…

 

 

男は度胸 女は愛嬌 坊主はお経』(東京 大秀寺)

 


面白いが「和尚は読経」のほうが良くないかな?

 

 

 


ドキリとさせるのは香川の清立寺の法語。

 

 

『本当に神仏を拝んでいますか 欲望を拝んでいませんか』

 

キリスト教イスラム教をなど他宗と比べても仏教には<純粋な祈り>というのが少ないのではないだろうかという気がする。

これからの日本の現代仏教が真摯に取り組むべき課題のひとつであると思う。

 

 

 

サクラナガシ

サクラナガシ

 

 

 

 

 

 

以前から欲しかった城南海(きずきみなみ)さんのCDをブックオフヤフオク店で購入。

古書を買うのは密林かブックオフオンラインしかないと思っていたのだが、密林の古書で3万もした中国武術の本がヤフオク1500円ほどで売っていたので即買いしたのをきっかけに最近、ヤフオクで物を買うことを覚えた。

 

城南海さんは奄美大島の出身でこの地方独特のグイン(演歌でいえばコブシのようなものか)と伸びやかな歌声、そしてひとつの曲がひとつの物語として聞こえてくる表現する力の素晴らしさは何かの不思議としかいいようがない。


ただ悲しい歌はとても悲しい気持ちになってしまうのが難と言えば難かもしれない。


ご本人はもちろん大変に努力されたにちがいないが、同時に天性の素質もあるだろうと思わずにいられない。


少し余談だがしばらく前にNHKの番組で女優の満島ひかりさんが出演しておられた。


満島さんの祖母は奄美大島の出身で奄美大島のことについて少し触れたおられたのだが奄美大島には精霊がいて精霊と相撲をするとあの世につれていかれるという。

 

民話のなかにカッパが相撲をとるという話があるが、本来の相撲とは力比べではなくて、宗教や他界に関わる何かに関係していたのかもしえれない。


沖縄をはじめ奄美大島種子島屋久島…島の文化には古い日本の文化が残っているにちがいない。

城南海さんの歌にはそうした古い文化が現代に生き生きと甦っているのを感じる。

「サクラナガシ」はカバー曲を集めたものだが一番気に入っているのは「Time gose by」である。

 

 


城南海 - Time goes by Every Little Thing