文化財調査 顔なじみ 若狭の歴史と民族
兼務寺院の多禰寺で京都府の暫定登録文化財に関する調査が行われた。
兼務寺院周辺は標高が高いせいか紅葉も鮮やかである。
兼務寺院周辺の紅葉も整備したいのだが獣害(特に鹿)と人手不足により
山寺はやることは一杯あるのです…
しばらく前に受付に座っていると若い男性が入ってこられて御朱印を希望された。
よく見るといつもこられる宅配のドライバーさんだった。
いつも愛想が良く感じの良い青年である。11月の繁忙期はアマゾンでの買い物が増えて顔なじみである。
「アマゾンで頻繁に買い物して申し訳ないですね…」と謝ったら
「自分たちもアマゾンで買い物しますからね」と好青年な答えが返ってきた。
本日28日はお不動さんの日。
本堂でお勤めの後、おぜんざいの接待。
ようやく今月の法務が全て終了し紅葉シーズンも一区切り。
先月はじめの老僧の葬儀から特別法要と行事が続きそのまま紅葉の繁忙期に突入したのでそろそろ疲労が…
疲れを癒やしてくれるのは古書。
昨日届いたのは永尾秀雄「若狭の歴史と民族」(雄山閣)。
面白そうな内容だが定価が7,000円近くて手が出なかったのだが、古書で4000円まで下がったので底値と判断して購入。
若狭の歴史、地名、民族など60年余りの郷土史の研究のなかで発表されて論文が40余り収められている。
思うんですよね…
本ほど安いものは無いと。
60年掛けて研究してこられた成果を何千円かで手に入れられたらこんなに安いものはないと。
そんな風に考えてしまうので本がどんどんたまってしまいのだが(苦笑)
舞鶴の歴史を知るにはどうしても若狭という視点抜きには考えられない。
若狭の仏教文化の西の端がこの舞鶴(特に東地区)であると考えている。
本書の内容もお水取りや遠敷の語源など興味はつきない。
特に「遠敷」(おにゅう)の語源が「小丹生」であり、「小」が美称であるという指摘は面白い。
多禰寺の後背地は大丹生(おおにゅう)である。
そして(とりあえず今のところは)『多禰』(たね)という言葉の音読みは「おおに」なので「大丹生」(おおにゅう)とのつながりが深いと考えているのだが。
歴史について知ると、自分の周りの風景が違って見えることがある。
見慣れた風景の背後に深い、永い歴史を感じると自分の立っているところが価値あるものとして現れてくる。
仏教もまた少し歴史に似ているように思う。
自分というものを深く深く掘り下げていったときに、自分の知らなかった自分に出会えると感じているからだ。
自分は価値がないと仮に思っても、掘ってみないと分からない。
歴史と仏教は少し似ていると思う。