火事です 彼岸 深遠なるインド

 

「火事です!火事です!」

 

しばらく前の或る夜のこと。時間は深夜2時、けたたましいアラーム音と共に若い女性の声が連呼する…

 

「火事です!火事です!」

 

一番熟睡している時間に起こされ、何が起こったのかしばらく分からなかったがややあって寝室に取り付けてある火災報知器から声だと気づく。

 

火災報知器が作動している以上何か異変があるかもしれないと心配になり庫裏を点検したが異常はなく誤作動と判明したが、よりによって深夜の2時に誤作動とは…

 


寝起きの頭で最初に考えたのは…

 

「ネズミがおならしてそのおならに火災報知器が反応した」

 

そんなわけない…

 

 

 

 


昨日は彼岸の入り。

21日の中日まで松尾寺の彼岸法要に出仕する。

 

 

爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った (新潮新書)

爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った (新潮新書)

 

 

 

 

最近パラ読みしているのは更科功「爆発的進化論」(新潮新書)。

生命誕生から人類に至る進化のなかで奇跡とよぶべき身体器官の発達の積み重ねががある。

 


<膜><口><骨><眼><肺>…いろいろな器官を取り上げて実に明快に分かりやすく説明されている。

 


人間にはかって頭頂にも第三の眼があったという。

仏像には額に白毫がつくられるがインドでいうチャクラとも関係があるはずである。

 


宗教が長い歴史のなかで営々と行った心身の開発のプロセスのなかでそうした退化した器官や能力を開発するスキルもあったはずである。

 


本日のニュースでは東大などのチームが人間に磁気を感じる能力があることを明らかにしたという。

 

 

地球は磁気に覆われているのでその磁気を感じる能力は方向の探知などには有効だったはずである。今後の解明がまたれる。

 


仏教には身口意という考えがある。

 


身体(行動)、言葉、心の3つである。


先日見た「ボヘミアン・ラプソディ」のなかでゾロアスター教徒である主人公のお父さんが
「良き心、良き言葉、良き行い」というフレーズを何度か使うのだが、これがゾロアスター教の教えなのかそれとも仏教の聖句なのか少し気になる。(お父さんはインドに住んでいたゾロアスター教徒である)

 


ゾロアスター教に限らず、仏教、ヒンドゥー教には火を使った儀式が共通しているのも興味深いところである。

 

 

 

図説ヨーガ大全

図説ヨーガ大全

 

 

 

 

真言宗で使われる密教法具というの古代の武器をかたどった物が多い。

 


金剛杵などがその代表だが、そもそも実態はどんな武器であったのかずっと気になっていたが、インドの武術に関する史料にめぐりあえなかった。

先日、ようやく伊藤武「ヴェールを脱いだインド武術」(出帆出版)を見つけた。

 

 

 

ヴェールを脱いだインド武術―甦る根本経典『ダヌルヴェーダ』

ヴェールを脱いだインド武術―甦る根本経典『ダヌルヴェーダ』

 

 

 

 

 


随分前に買った伊藤氏の「図説ヨーガ大全」を読み返したら実に面白い記述満載で、勢い余って伊東氏の「ヨーガ・スートラ」まで買ってしまった。

 

 

 

 

 

現在、太極拳を練習しているがインド武術と中国武術には共通点が多く、古代から相互に影響を与えあった痕跡がある。

 


太極拳に限らず中国武術では腰を落として立ち続ける訓練が重視されている。

 


立禅、站樁功、馬歩などいろいろな名称で呼ばれその種類も多様だがインド武術にも同じような身体の鍛錬法があると書かれてあり、実に実に興味深い。

 


金剛杵については柄の両方に刃の付いた刺突用の武器と想像していたのだが、伊藤氏の本によれば尖った先端で相手の急所を攻撃するのだという。

人体には『マルマ』という急所が沢山存在し、その急所を攻撃することで相手を死に至らしめることも可能であるという。

 


中国武術にも点穴や擒拿術など良く似た技術が存在するのは有名である。)

 


この金剛杵というのは手の内に収まるごく小さな武器であるが、掌に隠して持てることが「密教そのもののシンボル」になっているという。

 

一般の仏教が「開いた手」(顕教)であるのに対し、密教は秘儀を通して選ばれた弟子に伝授されるだという。

 


面白すぎる…

 

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堂々たる松尾寺の本堂