お寺の言語スキル
急に秋めいてきて風にも秋の気配が感じられる。
ようやくお盆の後始末が終わり、体も回復しつつある。
お盆には施餓鬼という法要が行われることが多い。
檀信徒の方から塔婆の依頼を受けるが本数が多いと時々取り違えたり、不足があったりする。
先日、あるお寺の施餓鬼法要に出仕したら、檀家さんから塔婆が一本足りないという申し出がった。
そのお寺の老僧がすかさず
「凡ミスです」(盆ミス!?)
と応対されていたので感心してしまった。
お坊さんというのは言語スキルが高くないといけないらしい。
親しくお付き合い頂いている禅宗のお寺には本堂の天井に大きな龍の画が描かれている。
数十畳分の天井に八方睨みの龍が描かれている。
「八方睨み」というのはどの位置から見ても自分が龍に見られているように感じるという技法。
先日、小学生の一団が本堂にやってきてこの大きな龍を画を見るなり…
「出でよ!神龍(シェンロン)願えを叶え給え~!!」
口々に唱えはじめたそうである。
八方睨みの龍なのでどの子供にも大迫力の巨大な龍が自分を見下ろして浮かんでいるように見えたのだろう。
収拾がつかなくなってきたので、ご住職は…
「ドラゴンボールを集めないと神龍は出てきてくれないですよ」
と言ってようやく鎮火したとか。
やっぱりこれも言語スキルの力である。
反対の例もある。
今日は夕方7時を回ってから営業の電話がかかってきたのだが、第一声が
「宮司さんはいらっしゃいますか?」
だった…
ソッコーで「ウチには宮司はおりません」と言って電話を切らせていただいた。
歳のせいか時々古い歌が聴きたくなる…